疾病の概要
犬ジステンパー(5種・8種共通)
犬ジステンパーウイルスによってイヌ科、イタチ科、アライグマ科の一部などに流行するウイルス病です。
とても伝染力が強く、致死率も平均20%(神経症状が出た場合は90%)と高い恐ろしい病気です。また、
後遺症が残ったり、何年も経ってから後遺症が出ることもあります。
犬パルボウイルス感染症(5種・8種共通)
犬パルボウイルスによる犬の病気です。心臓の筋肉に炎症を起こすこともありますが、ほとんどは激しい
腸炎(下痢・嘔吐)の症状を示します。一般に仔犬では症状も激しく、致死率も高いのですが、犬の年齢や
季節に関係なく流行することが知られています。
犬コロナウイルス感染症(8種のみ)
犬コロナウイルスによる犬の病気です。このウイルス単独では、軽度の胃腸炎の症状しか示しませんが、
パルボウイルスと混合感染を起こすと、成犬でも致死的な経過を取ることがあります。
犬アデノウルス感染症(5種・8種共通)
犬のほかにも、キツネ、オオカミ、アライグマなどに伝染するアデノウイルスによる病気です。アデノウイルスは
肝炎を起こす1型と喉頭気管炎を起こす2型に分類されますが、2型のワクチンを接種すると1型の予防にもなり
ます。肝炎は下痢・嘔吐などの消化器症状から始まりますが、仔犬が感染した場合、全く症状を示さず突然死
することもあります。また、喉頭気管炎は咳や鼻水などの呼吸気症状を示し、肺炎を起こすこともあります。
犬パラインフルエンザ(5種・8種共通)
犬パラインフルエンザウイルスによる呼吸器感染症です。いわゆる風邪の症状を示しますが、二次感染を起こすと
気管支炎から肺炎に進み死に至ることもあります。非常に伝染力が強いウイルス感染症です。
犬のレプトスピラ病(8種のみ)
黄疸出血型とカニコーラ型の2種類があります。
黄疸出血型 :レプトスピラ・イクテロヘモラジーによる発熱・嘔吐・出血傾向などが見られる細菌感染症です。
カニコーラ型:レプトスピラ・カニコーラによる腎炎を主徴とする細菌感染症です。これらは、人間にも感染する
「人と動物の共通感染症」です。
*ここに記載されているのは、当院で使用されている混合ワクチンを例に取ったものです。