・・・・・・ 奈 良 漬

瓜は、白瓜が上等ですが、縞瓜・青瓜でもできます。白瓜は若く固い、形のよい、中くらいの物が適しています。
普通の板粕は使いません。柔らかな漬物用の粕を手に入れて下さい。
塩は、三等塩(粗塩の事か?)以下を使います。カルシュウムの関係でか、漬物全体には三等以下の塩がよい。古塩のサラサラしたのは、なお上等です。

・・*1斗=18.039P/1升=1.8039P/1合=0.18P/*1貫=3.75L/1匁=3.75K

◆材料:粕≒5貫500匁/白瓜≒4貫800匁/塩/漬け樽か瓶(カメ)
瓜は縦に二つ割りし、1銭銅貨の様な(今でしたら500円か)物で、種やわたを、きれいに取り除きます。全部終えたら、樽/瓶に用意の粕を二分(1分=0.3B)の厚みに塗ります。
・ 種とわたを取った瓜の窪みに、窪み1杯の4割(10分の4)塩を入れ、その上1杯に粕を塗り詰めます。すなわち、塩と粕が4:6です。これを窪みを上に並べます。なるべく、瓜と瓜が着かぬよう、粕を瓜の間に詰め込みます。
・ 1段並んだら、上を粕で二分(1分=0.3B)の厚みに塗ります。こうすると、漬けてから1年は持ちます。
・ 2段目は1段目より1〜2ヶ月早く食べ始めるとして、塩を窪み1杯の3割半にして、上から粕を詰めます。2段目を1段目と同様の手順で並べ、上を粕で二分(1分=0.3B)の厚みに塗ります。以下、3段目以後も同様ですが、上に行くに従い、塩の量を半割りほどづつ、少なくして行きます。

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●何段積もうと、10ヶ月後に消費する分は、塩4割(10分の4)です。したがって、2〜3ヶ月後の消費分は、塩1割です。なお、5分塩は漬けてから10日目から消費できますが、1ヶ月くらいで終わるように瓜の個数を加減して下さい。

(注)粕に漬ける前に、塩で下漬したり、塩を窪みに入れ日に乾す等の方法も有りますが、風味・体裁ともに上記の方法が勝っています。使用済の奈良漬けの粕は、普通の粕床として2度3度と使えます。

★漬物用粕が手に入りにくいばあいの工夫★ 冬場に板粕を求め、塩気のない瓶(カメ)などに固く固く詰めて、密封して暗所においておきます。7〜8月の頃になると、自然発酵して、ベタベタした漬物用粕になります。




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