・・・・・・ 山葵(わさび)漬け

「山葵漬け」は、もと味噌漬けだったのを、後に酒粕に直したのだと言う古い歴史をもちます。今日では、静岡名物といへば「山葵漬け」と、ピンとくるほど有名であります。


*1斗=18.039P/1升=1.8039P/1合=0.18P/1勺=0.018P/1貫=3.75L/1匁=3.75K

【材料と容器】
・・・上等の酒粕:200匁
・・・葉付きの山葵:80匁
・・・白砂糖:10匁
・・・味醂:5勺
・・・塩:盃5杯
・・・瓶(それに類した容器)

 山葵をていねいに水洗いし、葉の方は細かに刻み、盃1杯ほどの塩でよく揉み、汁は固く搾って捨てます。根の方は、ゴボウのささがきのように薄く細くそぎ切りにし、先ほどの葉と一緒に丼等に入れ、煮立ったお湯をひたひたぐらいに注ぎ、10分ほど風の入らないよう蓋をしておきます。それを固くしぼって汁を捨て、再び湯をかけて、盃1杯の塩をかき混ぜ、1時間以上蓋をしておきます。
 一方で、酒粕に砂糖と味醂を加えてよく混ぜ合わせ、残りに塩を加減を見ながら少しずつ入れ混ぜ合わせます。その中へ、山葵を固く搾って入れ、粕でむら無く和へ、壺のような容器にギッシリと詰め込み、蓋で密封しておきます。4〜5日で食べ始めることができますが、そのとき固いようでしたら、味醂で少しゆるめて召し上がって下さい。

注意:葉を塩もみするとき充分でないと、粕に漬けてから、いつの間にか粕が青みを帯びて、体裁の悪いことになります。山葵は、葉の生き生きとして、根をちょっと噛んで、苦味より辛味の勝ったものが良い。買い求めた山葵は、二つ割りにして2〜3時間清水に浸しておいてから漬け込みますと、どなたでも漬け損じなく仕上がります。




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