・・・・・・ 味噌漬け

◆野菜の味噌漬け◆

味噌漬けの最初は新潟県で、その発明の動機は、味噌の保存上、味噌桶の底に野菜を敷いておいたのが美味しかったので、その後わざわざ味噌に野菜を漬けるようになったものといわれています(真偽不明)。
昔は、古い味噌を大切にし、三年でも七年でも持っていたように、自家用として各家庭で作り、少しの野菜に味噌からでる汁を吸収させたので、色も味も、保存もよく、上々の出来でしたでしょうが、今日のように買った味噌では、味噌だけで保存しておいても味が変わって、まずくなるくらいですから、それに野菜や肉類を漬けたのでは、とても保存は出来ません。ですから、昔の味噌に劣らない味と保存力を味噌に与えておいて、漬けるようにしないといけません。

・・*1斗=18.039P/1升=1.8039P/1合=0.18P/1勺=0.018P/1貫=3.75L/1匁=3.75K

●材料と用具=
・・・・・ 赤味噌:300匁/醤油:3合/*きざら:50匁/赤唐辛子:10本
・・・・・ 塩:20匁/容器/おし石:500匁以上/野菜(何でもよい)500匁
・・・・・ 注)上記「おし石:500匁」は下漬け用です。
☆上記しました材料の「*きざら50匁」ですが、広辞苑にはありませんでした。90歳になる母に聞きましたところ、「(ざらめ)糖には白と黄色の2種類あるから、黄色の(ざらめ)糖のことかしら」と申します。

●下漬け=味噌漬にして一番美味しいのは、冬瓜(トウガン)、ナス、キュウリ、スイカ、大根、白瓜の順序です。これらの野菜を、いったん塩漬けしなくてはいけません。
塩漬けのし方は、浅漬けの下漬け(参照click)と変わりがありませんが、オケの中の塩汁でよく洗い上げ、ザルなどに広げて2〜3時間陰乾しをしてから、用意の味噌の中に漬けます。
●味噌の作り方=鍋に醤油(しょうゆ)と「*きざら」と唐辛子を細かく刻んで入れ、砂糖(きざら*の事か)が溶けたら味噌を入れ、弱火(とろ火)で気長に練り上げると、味噌に光沢(つや)がでますから、よく冷ましてから漬け込みます。
●本漬け=味噌漬の容器は、なんといっても瓶(カメ)が1番です。まづ瓶の底に前記しました製法で用意した味噌を薄く塗り、その上に塩漬けした野菜をまばらに並べ、その上に味噌を塗ります。さらに同じ手順で重ねてゆきます。最後を味噌で塗りふさぎ、おし蓋をして、軽い100匁ほどのおし石をして、適当なかぶせ蓋をしておきます。こうしておきますと、おし蓋の上に、いつも漬け汁が上がっていますから、保存するのに有効です。十日ほど以後から食べはじめられますが、味噌漬は、今月より来月、今年より来年と、時が経つほど美味しくなるものです。
★食べる分を出したら、平らに上面をならし、すき間の無いように注意して、以前の通り蓋をしておきます。取りだした味噌漬は洗わずに、濡れ布巾で味噌をだけを拭き取るか、洗うのでしたら、手早にすませます。切り分けは、他の料理との調和を見て、良いようにして下さい。
注)味噌の汁は、カビても蟲はわいたり(出来)しませんし、簡単に悪くなりませんから、捨てる必要はありません。味噌は何回も漬けると、自然に味が落ちますから、●味噌の作り方=の製法でつくり、少しづつ混ぜ加え足し、練り直すと、いつまでも美味しい味噌漬を作ることが出来ます。

◆ 魚肉類の味噌漬け◆
魚肉・牛肉・豚肉・馬肉・鳥肉など、なんの肉でもよく、分量や方法は皆同じです。また、魚類は、たいていの魚が味噌漬けに適しています。

・・・・ 赤味噌:100匁/醤油:1合/きざら:20匁/唐辛子:3本/肉類:150匁

ガーゼ数枚と瓶(カメ)か鉢を用意します。味噌は野菜の味噌漬と同じ製法で練り上げておきます。

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肉は、すこし厚めに切っておきます。容器の底に味噌を薄く塗り、その上にガーゼを敷き、肉を重ならないように一並べして、ガーゼの縁を折り、肉にかぶせます。その上にまた味噌を2〜3分(1分=0.3B)厚みに塗り、次のガーゼを敷き、肉を重ならないように並べ、ガーゼの縁を折り、肉にかぶせます。こうして幾層も重ねていきます。一番上は、かならず味噌で被い蓋をしておきます。
一人前に切った肉類は、夏場で30時間、冬場で50時間くらいから頂くことができます。長く保存するには、大切りのまま漬けるのがよいでしょう。

★味噌について=味噌漬の味噌は、赤の粒味噌が適しています。




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