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フィラリア症

  犬糸状虫(フィラリア)という、細い素麺のような寄生虫が犬の心臓に寄生しておこる寄生虫病です。咳や腹水など、 主に心臓病による症状のほか、喀血や血色素尿(赤い尿)、失神や突然死など様々な症状が出ます。これらの症状を 総括してフィラリア症と呼びます。蚊が媒介するこの病気は、つい最近まで犬の死亡原因の中でも、非常に高い率を 占めていました。現在は飲み薬で、この病気を予防することが可能になっています。

予防薬

  様々なメーカーから様々な形状・成分の予防薬が製造されていますが、いずれも実は駆虫薬です。フィラリアの感染 そのものを予防できているわけではありません。つまり、正確にはフィラリア「症」の予防薬です。蚊の媒介によって 感染したフィラリアが心臓(循環器系)に侵入する前に、1ヶ月に1回、駆虫をかけているとイメージしてください。

感染期間

  蚊によって媒介される寄生虫病ですから、感染期間は蚊の出現する時期と関係があります。とは言え、「今年はまだ 蚊を見ていない」とか、「昨日、蚊を見つけた」ということでは科学的根拠にはなりません。通常、「感染期間」は 「蚊の体内でフィラリアが成育できる気象条件」から、地域ごとに算出されます。23区内では、ここ数年徐々に延長 傾向にあるようです。

予防期間

  感染したフィラリアを月に1回まとめて駆虫しますから、「感染期間」開始後1ヶ月から「感染期間」終了後1ヶ月 までが「予防期間」になります。「感染期間」は、前年までのデータで算出されていますから、普通、前後に1ヶ月ほど 余裕を持って「予防期間」を設定します。23区内では、概ね5月初旬から12月中旬までに設定されることが多いよう です。予防期間の間は毎月1回、飲み薬を飲みます。

血液検査

  フィラリア症の予防薬は駆虫薬です。既にフィラリアが寄生している場合、予防薬を飲ませると、心臓や血管の中で そのフィラリアが死んで、心臓の弁に絡まったり、血管に詰まったりして大変危険です。このようなことが無いよう 投薬シーズンの前には必ず血液検査を行い、フィラリアが感染していないかを確認します。

猫のフィラリア症

  猫にもフィラリアが感染した症例が報告されていますが、一般的に猫のフィラリア予防は犬ほど普及していません。