「業績落ち込むNEC,元気の無さを数字で確認してみた」というITプロの記事。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/082400646/?ST=spleaf
長年NECに勤務していた私としては、大変残念な記事である。
今から20年前(もう時効でしょう)、長期ビジョンを作るプロジェクトがあり、私も参加した。私が敬愛するCMCの塩田先生にコンサルをお願いして、本社企画部門中心に検討した。その私なりの結論(論点)は、①NECは、下請け体質である。それを打破するか否か?②モノ中心の時代は終わり、ソフトやサービスが主役の時代になる。そこにシフトするかモノ中心を維持するか?
私は入社時配属は、パソコン部門。ソフトなければパソコンはただの箱、パソコンは自ら仕掛けて事業をするものと教育されたので、下請けとかモノという発想はなかったのだが、会社全体では、その通りであった。
歴史を振り返ると、パソコンや半導体といった自主性を重んじる事業は売却、モノ(ハード)は縮小。残ったのは、官庁、キャリア、企業を顧客とするソリューション事業(鍵となるソフトやサービスはほとんどないと思われる。コアとなるのは、シリコンバレー)。20年より更に昔に戻ったような事業構造になってしまった。つまり、下請け文化(自らの発想や行動は重視されない)が継続されたままということだと思う。その文化の継承者の集団であるかぎり、縮小する国内市場、グローバル化による競争激化及び商品・サービス単価下落傾向(デフレ)を考慮すると、今の傾向は続くと思う。願わくは、トップが方向性(思いつきのようなスローガンでなく、考えぬいた卓越したもの)を示し、社員一人ひとりが、自主性を持って具体化する集団になって欲しいものである。