私が総務省に出向していた時、同僚は富士通、日立など同業の人たちであった。
人事考課の季節、私がシートを記入していると、ある同僚が「ウチの会社と同じシートだ。」と発言。全てを確認したわけでないが、電機労連に加入している会社は、同一若しくは似たような人事考課システムを採用しているようだ。我が社は、個性を重視するとか、独自性(イノベーションに通じる)を大事にすると主張するのは、無意味なスローガンだと当時思った。
均一な組織は、環境変化に弱い。だからダイバーシティを要求される。あるコンサルから聞いたのだが、クライアントから「離職率が高い理由を突き止めてくれ」と言われ、調査したところ、同じようなタイプの人ばかり採用したのが原因だとわかったそうだ。面接官が無意識で、自分と同じタイプの人を採用したためらしい。
以上から導くラフな仮説は、採用で同じタイプ、人事システムにおいても他の企業でも採用しているような個性のないものであったら、企業の同質性は深まるのみであろう。
ダイバーシティを深めるためには、まず採用の仕組みを工夫する必要があるだろう。また、職場の文化も多様化対応するシステム(例えば、幹部若しくは幹部候補は、海外経験が必要、異業種経験者を優遇する)の構築も必要であろう。)