2007年に日本で発行された「その数学が戦略を決める」(イアン・エアーズ著)を読んだ。
専門家(経験と直感)を遥かに凌ぐ予測。例えば、葡萄を収穫した時に、そのワインの美味しさを予測、医者に代わって正確な診察、台本で映画のヒットするか否かを予測など。
方法は、回帰予測とニューラル予測。前者は伝統的な統計学、後者は脳の神経細胞を参考にした自ら学習する予測手法で、最近はAIと言われている思う。
ビックデータが取得可能、コンピュータの進歩などにより、絶対数学による分析や予測が、医療、教育、金融、映画などの業界に大きな影響を及ぼしており、企業のみならず生活者も絶対数学(統計学)を学ぶべきという。それが、社会を豊かにしていくのであろう。
私が一番驚いたのは、この本が2007年出版ということ。アメリカでの出版は、もっと前であろう。当然、書かれている事例は、さらに以前のものであろう。その頃、私は、「やばい経済学」という事例を通して統計学の面白さを紹介する本を読んでいたが、絶対数学の本質的役割に関しては無知であった(多分、同僚達もそうだったと思うが)。トレンドウォッチャーを自負していた当時の私にとっては、少々恥ずかしい。
絶対数学(統計学、AI)が社会に大きく影響を与えていくのは明らかであろう。ならば、消費者・生活者として、その仕組みや応用(事業開発、事業強化等)について学んで行くことも肝要でしょう。まずは、本書のような本を読むことをオススメする。