先日、かつてNECの中枢を担っていた先輩たちと飲んだ。大きな話題の一つが、NECの惨状であった。現状認識は、かつてのNECでなくなった(この場合、人材難という意味)。
私が語ったのは、「アメリカでは、一度退職した人が、元の会社に復帰することがトレンドになっている。しかも、復帰時は以前より給料や地位が上がっていることも珍しくないという。経営危機の会社の場合、外部からトップを招聘する手もあるが、このようなブーメラン社員を採用するのも有効であろう。少なくとも、以前の会社事情の理解度は高いはず。」
一同、大いに興味を持って、(酒の席の話題として)誰がいいかという話が始まった。
その数日後、パナソニックが、ブーメラン社員社員を採用したというニュースが流れた。マイクロソフトの樋口会長を専務に招くというのである。さすが、パナソニックである。
大きな企業は、ムラ社会を築き、どうしてもモノカルチャーになる。ムラカルチャーと世の中の流れに齟齬がなければよいが、そんな時代は長続きしない。つまり、世の中の変化に合わせて、会社も変化しなけれないけない。その方法論として、マルチカルチャーの人にリーダーになってもらうことは、有益であると思う。アメリカでトレンドならば、いつか日本でも同じことが起きるだろう。問題は、会社が回復可能な時期まで、実現できるかであるが。