「イギリス人アナリストだからわかった日本の強み・弱み」を読んだ。
まず日本の戦後の復興は奇蹟でなく、日本人の勤勉性でもないと主張。戦前の日本は、既に経済力は世界6位であり、戦争のダメージを人口増もあって回復したに過ぎないと言う。⇒なるほど。
次に、日本の生産性の低さは、2つの理由がある。経営者の資質の問題でもあると指摘。多くの経営者は、真に数字に興味がない。数字で鍛えられていない。⇒納得できるな。
そして、次の理由は、「面倒くさい文化」にあるという。つまり、面倒なことを避ける文化である。背景には、横並びで保守的な男社会の存在。変えない努力をする人がたくさんいる。特に、公務員、銀行、役員。⇒これも納得できますね。法律で守られている既得権社会では確かに強いでしょう。
”Wooly Thinking"という指摘もあった。つまり、羊毛みたいなふわふわした思考をする人が多いのである。⇒これも納得。上辺の脳の反射的思考が多いと思う。
日本の強みは、遺産を残し、革新もしていくという足し算ができることだという。海外では、過去の遺産を破壊することが多いが、日本では神社やお寺が同居しているように遺産が破壊されない。これは、観光業に貢献できると言う。著者は、リスクの高いIT、AI、バイオでの勝負もあるが、観光業は日本の強みを活かせる成長産業と主張している。⇒これも主張としては間違っていないと思う。そのうち、日本はイタリアやスペインにようになっていくのであろうか?
一言で言えば、合理性や論理性に問題があるのだと思う。特に日本固有の問題だと思わないが、自由競争が激しくなる中、合理性はより必要とされていく。その事実を認めることから変化や成長が始まっていくであろう。