AI経営で会社は蘇る

掲題の冨山和彦氏の本を読んだ。今は、デジタル革命第三期という。第一期は、IBMからウィンテルに覇権が移り、ダウンサイジングと水平分業の時代。第二期は、インターネットとモバイル革命で、通信機器やAV機器の分野で世代交代が行われた時代。第三期は、IoTやAIにより、IT産業やAV産業以外の産業(金融、医療など)で革命が起こる時代。その産業は、リアルとの融合及びシリアス(安全や安心を重視する)が求められ、日本企業(特にローカル企業)に大いにチャンスが出現するという。

 

また、AIは道具であり、ERPと類似しているという。つまり、自前で開発するのではなく、ベストプラクティスを利用すれば良い。自分たちの強みを活かし、ビジネスモデルを構築するのが賢い。それをリードするのは、経営者の役割である。

 

全くその通りだと思う。課題となるのは、AIを活用して、企業やその集合体である日本がいかに事業を再構築していくリーダーシップだと思う。筆者は、グローバル企業とローカル企業では求められる人材が異なり、特に前者はグローバル人材(テニスの錦織選手やゴルフの松山選手のようなイメージ)が必要であるという。そして、誰でもグローバル人材になれるわけでもない、特別な才能や意思・意識が必要なのである。とするならば、普通のサラリーマン社長に率いられる企業は、グローバルを目指すと失敗する確率が高いということになる。しかも、AIの活用も出来ないであろう。

 

個人投資家の視点としては、典型的なサラリーマン社長(上司の空気を読むのが上手、権力争いをしながら、チームワークが大事というような人)の会社には投資しないことにしよう。

2017年07月09日