著者のマーク・ブキャナンによれば、人間は複雑な存在であるが、共通する少数の特性を的確に捉えモデル(パターン)として考えれば色々なこと(将来予測、原因など)がわかるという。
その特性とは、①人間は本質的には理性による論理思考は苦手で、むしろ直感によって頼って思考する(ファースト&スローのカーネマンと同じ考え)②他者との関わりのなかで学習して、適応していく③進んで模倣する④仲間との協調を思考する一方、よそ者に対しては盲目的な敵意を向ける傾向がある(偏見は、仲間との協調を促進する)。
これらの特性をモデル化しコンピュータでシミュレーションすると、例えば人種融合を進めるため、居住地を一緒にさせても、結局同じ人種同士が固まって住むことになるそうである。
このようなシミュレーションの確度が上がると、感情的な敵意を向ける隣国に対して、国としての対応策がより明らかになったり(例:偏見是正が効果があると分かったらなら、その対応策を具体化)、格差の是正(例:金持ちはより金持ちになる法則もあるので、法則にあった対応策)などに有益であろう。
今は、人類の歴史上最も殺人が少ないとTEDで見た記憶があるが、今後は更に少なくなる可能性が高いと言える。人類は紆余曲折はあるが着実に進化しているのである。