住友銀行暗黒史

バブル時代、住友銀行の磯田会長、イトマンなどを主人公した住銀の不正に関するノンフィクションである。住友グループのリーダー住銀が、「浮利を追わず」という住友の社是は、単なる念仏と解釈して、アンダーグランドの人々に食い込まれ、保身ため行員達も社内戦争・派閥争いを始めるという人間性あふれる出来事が書いてある。

 

私も住友グールプの企業で勤務していたが、コンプライアンスの徹底というスローガンはあったが、不正が消滅しなかったし、今も東芝、東レなど大企業でも不正はなくならない。日本企業のみならず、欧米(ウォール・ストリート、フォルクスワーゲン等)企業でも不正は存在する。これは、人間の性、その集団である企業の性なのであろう。

 

しかし、不正を最小限にする努力は必要であろう。スローガンの暗唱(毎日、声に出せば、それなりに効果あるだろう)、ルール・制度の構築(人若しくはAIによる監視・監督やオープン化など)、更にダイバーシティの推進(空気を読まない人を増やす)という方策が考えられる。

 

そして、今後は、不正は減っていくと考える。何故ならば、不正の内容は、お金とデータ改ざんが大半。デジタルマネー(紙幣がなくなり、お金の追跡が楽になる)やブロックチェーンの普及が見込まれるからである。企業の不祥事という言葉は、先進国から消える時代は、もう少しである。

 

2017年12月13日